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ペットの問題、一人で悩んでいませんか?

コラム

ターミナルケア

ターミナルケアという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?

一般的には、治る見込みがないと診断され、死を間近に迎えた患者に対する看護・治療のことを指します。
患者の肉体的精神的苦痛に対して、近代医学の力をかりながら、精神的援助(あるいはスピリチュアルケア)を重視して行われるものです。
HAACでは、ペットの場合にもこのターミナルケアが必要であると考え、様々なサポートを提案していきたいと思っています。

QOL(クオリティー・オブ・ライフ)という言葉をご存じの方も多いと思いますが、人生、生命、生活の質などと訳されますね。
ターミナル期におけるQOLとは、痛みの緩和はもちろんのことですが、できるだけ”その人らしさ” を支えることと言っても良いかもしれません。
では病に伏しているペットにとってのQOL、”その子らしさ”を支えるとはどういうことか?
単純には答えが出ない質問ですよね。10人の人が10通りの答えを出すのではないでしょうか。
ここであえて答えの一つをあげるとするなら、その子本来の性質や性格が保たれるようにすること、できるだけそれまでの日常と変わりなく、飼い主さんや家族、仲間とのふれあいの中に生きることと言えるかもしれません。

ペットのターミナルケアの場合、ペット自身に精神的援助やスピリチュアルケアを行うことはありません。
精神的なケアを必要とするのは病にあるペットではなく、むしろ飼い主さんの方でしょう。
ターミナル期のペットの介護をする飼い主さんには、多くの身体的、心理的苦痛が伴います。病院で死を迎えることが一般的になった人間の場合と異なり、ペットの場合在宅で介護し看取るというケースも多いようです。
例えば、苦しんで日に日に弱っていく大切なペットを目の前にしながら、何もしてあげることができない自分を責める気持ち。この子がいなくなったらどうしたらいいのだろうという不安や怖れ。
この子がこうなってしまったのは自分のせいではないかという自責の念などなど。
この時期飼い主さんは、一人で抱えるにはあまりにも大きな苦痛にさらされることになります。
そのような精神状態の中で、ペットのQOLを維持するのはなかなか難しいですよね。ですから、とにかく一人で抱え込まないこと。家族でも、友人でも、散歩仲間でも、獣医さんでも・・・。その苦痛を理解してくれる人達の物理的・精神的支えがあってこそ、ターミナル期のペットを支えることができるのです。介護の負担は一人で追い切れるものではありません。ターミナルケアはチーム医療という側面を持つことを心にとめておいて下さい。

そしてもう一つ覚えて置いていただきたいのは、ターミナル期は愛するペットとともに歩んだ人生を振り返り、その子が自分に与えてくれた様々な価値や意味について考える大切な時間でもあるということです。それまでのペットとの関わりや触れあいの全てが凝縮され、思い出される時間。見方を変えれば私たちは今、毎日を生きながら、既にターミナル期、そして別れに向けての準備をしていることにもなるのです。
その時期を迎えたとき、「有難う」「愛しているよ」という言葉が自然とわき上がってくるような、たくさんの素晴らしい思い出に満ちた毎日が過ごせたら、そんな素敵なことはないのではないでしょうか?